『どうする家康』第30話(新たなる覇者)の感想

 

 

『どうする家康』第30話(新たなる覇者)を視聴したので感想を書きたいと思います。今回も良かった点、良くなかった点、学びがあった点について書いていきます。

 

まず良かった点ですが1つあります。それは、第30話から物語全体のテイストが変わった点です。重厚感というか、どっしりと構えた君主である家康を中心に、ストーリーラインとして、秀吉と柴田勝家の戦い、家康の旧武田領平定、家康とお市との関係性の3つの展開があり、少し忙しい印象もありましたが、ドラマとしての迫力というか凄みが増して及第点の出来だったのではないでしょうか。個人的には本多正信が軍師としての才能を発揮し始めている点が良かったですね。

 

一方で良くなかった点は2つあります。1つ目は良かった点と表裏一体になりますが、家康が変わりすぎていて、もはや別人レベルだったことです。ドラマの題名が『どうする家康』なので、最後まで「どうする、どうする、どうしたらええんじゃー」をやってもらわないとタイトル詐欺になってしまいますよね。「どうする」じゃなくて、「様子を見る。( ー`дー´)キリッ」っていうのは、題名を変更した方がよいくらいの変化ではないでしょうか。まあ、成長と捉えることもできますが。

2つ目は、最後の家康のセリフです。「秀吉はワシが倒す。」は表現が直接的すぎて情緒がないと感じました。その部分は背景描写と俳優の演技力で十分に視聴者に伝わっているので、改めて言葉にする必要はないと思いました。何話か前にも「信長を殺す」という直接的な表現がありましたけど、やっぱり言葉にして良い場面と良くない場面がある気がします。言葉にした途端、チープな感じになりますし、脚本や演出上の失敗のような気がしました。

 

最後に学びがあった点ですが、秀吉と柴田勝家賤ヶ岳の戦い(しずがたけのたたかい)を挙げたいと思います。柴田勝家もある程度勝算があってこの戦いを挑んだと思いますが、秀吉があっさり勝利を収めます。勝因が気になりますけど、第30話では詳しい説明がありませんでしたね。一説によると柴田勝家側の前田利家を秀吉が調略し、味方に引き入れたことが勝因のようです。この辺りのしたたかさは、武田信玄の外交・調略の手腕を彷彿とさせますね。事前の準備を入念にすることで勝つ確率を高める。この姿勢は、ぜひ見習いたいものです。