『光る君へ』第十八話(岐路)の感想

 

 

『光る君へ』第十八話(岐路)を視聴したので感想を書きたいと思います。今回も良かった点、良くなかった点、学びがあった点について書いていきます。

 

まず良かった点は1つあります。それは人が人を想うシーンを丁寧に描いていた点です。具体的には次の関白について熱く議論する一条天皇藤原詮子との対話シーンや道長が疫病にかかった道兼を抱きしめるシーンなど、心に訴えかけるものがあったと思います。

特に藤原詮子役の吉田羊さんの演技力には圧倒されるものがあり、今回の物語の一つのハイライトだったのではないでしょうか。最終的に一条天皇がどのような決断を下すのか気になりましたけど、道長を関白ではなく右大臣にすることで、母親である藤原詮子と自分の妻である中宮との意見のバランスを取ったということでしょうか。日本国のトップも人間関係の板挟みに悩んでいたようで少し親近感を覚えました。

 

一方で良くなかった点も1つあります。それは展開が早すぎると感じた点です。前回で道隆が亡くなり、今回で道兼も亡くなってしまいましたが、目まぐるしく環境が変わりすぎて、ついていくのが少し大変でした。登場人物の多さと人間関係の複雑さ、道長とまひろという二人の主人公を追いかけていくという点で、忙しさのようなものを感じてしまいました。もちろん、物語のテンポが良く、飽きが来ないという利点もあるとは思いますが。

 

最後に学びがあった点ですが、物語の最後で道長とまひろが再会(?)するシーンがあったので、そのことについて少し考えてみたいと思います。まひろのナレーションで「昔の己に会いに来たのね」との描写がありました。これは、道長が自ら進むべき道の原点を思い出すために思い出の場所を訪れたという解釈でいいのでしょうか。

「今、語るべき言葉は何もない」というナレーションもありましたが、道長は順調に右大臣に出世し、まひろとの約束を果たそうとしている一方で、まひろは進むべき道を模索中で迷いがあるので道長と対話する時期ではない、という考えなのでしょうか。

まひろは市井の人々に文字を教えることで、少しでも世の中を良くしていこうと考え、実際に行動に移していましたけど、それとは別に自分の進むべき道を見つけようとしているのでしょうか。今後の展開が気になりますね。