『どうする家康』第22話(設楽原の戦い)の感想

 

『どうする家康』第22話(設楽原の戦い)を視聴したので、感想を書きたいと思います。今回も良かった点、良くなかった点、学びがあった点について書いていきます。

 

まず良かった点は3つあります。1つ目は、武田勝頼役・真栄田郷敦さんの演技です。今期の大河ドラマで演技をしているところを初めて見ましたが、戦いの前の演説シーンは見応えがありました。眼力、胆力、声質など大将として申し分なしで、非常に迫力がありました。若いのにすごいですね。これから凄い俳優になっていきそうです。

2つ目は、織田信長の老獪さです。家康側に危険な役回りを押し付けるために、家康側から作戦を提言させる。家康は完全に信長の手のひらで踊っていますね。それに加えて信長の時代を読む先見性もありました。約3000丁の火縄銃を用意して武田軍を撃退しましたが、武田勝頼も信長の手のひらで踊っていたということでしょうか。

3つ目は、設楽原の戦いの合戦シーンです。今期の大河ドラマで初めてと言ってもよいくらい満足度が高いシーンでした。CGを多用しているのは分かりましたが、違和感がそれほどなく、全体として没入感、緊張感があり、ハラハラ、ドキドキする展開だったと思います。

 

一方で良くなかった点は1つあります。それは主人公である徳川家康の見せ場がないことです。史実を再現する必要があるので仕方のないことかもしれませんが、物足りさは否めません。ここまで主人公が活躍しない物語も珍しいですね。物語の終盤、信長が家康を要注意人物として気をつけるように部下に命令していましたが、少し違和感を感じました。これまでの家康の振る舞いから考えると過大評価でしょう。

 

学びがあった点は、設楽原の戦いにおける信長の戦術を挙げたいと思います。約3000丁の火縄銃もさることながら、武田軍の騎馬隊を防ぐ馬防柵の木材は岐阜から運ぶ用意周到さ。準備が全てということでしょうか。火縄銃に注目した先見性もありますが、準備力、段取り力がずば抜けていたと思いました。何事もそうかもしれませんが、準備で70%は決まっていて、残りは現場での実行力とアドリブという感じでしょうか。