『どうする家康』第14回(金ヶ崎でどうする!)の感想

『どうする家康』第14回(金ヶ崎でどうする!)を視聴したので、感想を書きたいと思います。今回も良かった点、良くなかった点、学びがあった点の3つについて書いていきます。

 

まず良かった点ですが、3つ挙げたいと思います。一つ目は、家康が信長に進言する場面です。家康が朝倉・浅井勢から挟み撃ちに会う可能性を進言しますが、急にどうしてしまったんだろうと思うくらい信長に堂々と意見します。最後に「あほたわけ!」と言い放ちますが、今まで怯えていた人物に対して物凄い一言を言い放った姿は、とても痛快でした。信長の狂気的な側面も強調されていましたし、家康が本当にこの人物について行っていいのか、という迷いも感じられる場面で、見応えがありました。

二つ目は、木下藤吉郎役のムロツヨシさんの怪演です。少し古いですが大河ドラマ龍馬伝岩崎弥太郎役の香川照之さんを彷彿とさせるものがありました。信長にしんがりを命じられた場面で、「ありがとうごぜえます、ありがとうごぜえます・・・」からの「死んだ〜」は腹抱えて笑いました。戦国時代の戦におけるしんがりの過酷さをよく表現していますし、木下藤吉郎の軽薄で下品なキャラもムロツヨシさんだからこそ成り立つ部分があると思いました。こういう憎めないキャラは好きなので、もっと活躍してほしいですね。まあ、後の羽柴秀吉なので否が応でも活躍はすると思いますが。。。

三つ目は、「えびすくい」と「かにすくい」のコラボです。酒井忠次の「えびすくい」と木下藤吉郎の「かにすくい」がまさかの共演!こういう馬鹿馬鹿しい演出、大好きです。今回の物語は全体的にシリアスな展開だったので、物語のアクセントとしても良かったのではないでしょうか。信長が笑っているシーン、初めて見た気がします。

 

一方で良くなかった点が一つあります。今回の裏の主人公は、お市の方に仕えていた阿月という女性でした。家康と信長に浅井長政裏切りの一方を伝えるために、舗装されていない道を約40km走破しましたが、これは非現実的でしたし、その後に亡くなってしまうのも脇役とは言え、切ないものがありました。『走れメロス』を彷彿とさせる演出でしたが、メロスを下敷きにしているなら希望という成分をもう少し入れても良かったのかな、と思いました。

 

最後に学びがあった点ですが、家康が信長に進言した場面を挙げたいと思います。家康と信長は部下と上司の関係です。上司の耳に障ることを進言するのは非常に勇気がいることですし、悪いことほど早く報告したほうが良い、と頭では分かっていてもなかなか出来ないものです。その点、今回で一皮むけた家康には好感が持てましたし、相手がどんなに恐ろしくても言うべきことはきちんと言い、対話を行う姿勢は見習いたいと思いました。