『光る君へ』第十三話(進むべき道)の感想

 

 

『光る君へ』第十三話(進むべき道)を視聴したので感想を書きたいと思います。今回も良かった点、良くなかった点、学びがあった点について書いていきます。

 

まず良かった点は1つあります。それは主人公まひろに希望が見えた点です。今回は緩急で言うと「緩」の回だったと思いますが、市井の人々に文字を教え、生活の質を向上させ、世の中を良くしていくという、まひろにとってライフワーク的なものが見つかりました。ここまでは災難続きとも言える展開で主人公にとって辛い展開が多かったですけど、ようやく一筋の光が見えてきた感じです。

ただ、こういう展開にもっていくなら謎の男・直秀や散楽メンバーを退場させない方が良かった気もします。市井の人々との交流を描くなら直秀や散楽メンバーも加えた方がより盛り上がった描き方が出来たのではないでしょうか。もったいないですね。

 

 

一方で良くなかった点も1つあります。それは内裏での政権争いが物語の中心になっており主人公まひろが少し浮いている点です。もう一人の主人公が道長であることは理解していますし、兼家を中心とする内裏での政権争いも物語の重要テーマかもしれません。が、紫式部であるまひろに焦点を当てて欲しい気がします。

加えて、道長のもう一人の妻である源明子の存在が大きくクローズアップされていましたけど、兼家に対する異常な憎悪の理由がいまいち分からず感情移入できないのですが、登場人物が多く、人間関係が複雑なのでついていけない部分も出てきました。

 

 

最後に学びがあった点ですが、まひろが道長に送った漢詩である陶淵明・「帰去来辞」について少し考えてみたいと思います。「帰去来辞」には、官職を辞して帰郷する決意と喜び、田園生活の自由な心境がうたわれています。今回の題名「進むべき道」とも関連がありそうで、「帰去来辞」で述べられてる「己の理想とする道を歩むべきではないか」というメッセージと今回の題名が呼応している気がしました。道長とまひろのそれぞれが進むべき道も段々と見えて来ましたし、今後の展開が楽しみですね。