『どうする家康』第27話(安土城の決闘)の感想

 

 


『どうする家康』第27話(安土城の決闘)を視聴したので感想を書きたいと思います。今回も良かった点、良くなかった点、学びがあった点について書いていきたいと思います。

 

まず良かった点は1つあります。それは信長が珍しく弱さや迷いをみせていた場面です。今まで強烈な個性で部下を従え、一切の迷いを見せることなく天下統一に突き進んでいましたが、家康との対話では「(子供と妻を殺したことを)俺に謝ってほしいか?」、「今まで殺した人間の痛みを背負って誰よりも惨たらしく死ぬ覚悟はできている」という主旨の発言をしたのには驚きました。使えない者は切る、裏切り者には死を、という冷酷な面ばかりが際立っていましたけど、初めて人間らしい部分を垣間見た気がしました。

 

一方で良くなかった点も1つあります。本能寺の変は有名な事件ので、脚本を書く人間はどのように描くのか苦労すると思います。本能寺の変明智光秀の単独犯ではなく、主犯が他にいて、明智光秀は従犯だった可能性もあるようです。今回の物語では、どうも明智光秀の単独犯で、家康が信長を殺そうとしていたが、明智光秀に先を越されてしまったという展開になりそうです。その場合、ドラマとは言え、通説とは大きく違った話になる可能性が高く、違和感を感じる人が出てくるのではないでしょうか。

 

最後に学びがあった点ですが、信長と家康の関係性について考えてみたいと思います。信長は、明らかに凡人ではなく、カリスマ性がある天才と言っていいでしょう。一方、家康は自分でも言及していましたが、天下人の器ではない凡人です。周りの助けがなければ何もできません。信長は酒席で家康に「お前は俺を支えるしかない。」と言っていましたが、凡人である家康になぜそこまで固執するのか、よく分からない部分がありました。

ただ、信長が家康に「俺を討って天下人になる覚悟があるなら、やってみろ。」と家康を試すような発言をしていました。家康の中に何か光るものがあると感じているようで、行き詰まっている自分の後継者として、家康にあとを託してもいいような雰囲気でしたね。

史実ではどうなのか分かりせんが、今回の物語では信長は家康を認めていて、後継者として自分の志を継いで欲しいと思っているのでしょう。瀬名の自害の件でも思いましたが、信念に基づく行動は人の心を動かします。瀬名の想い、信長の想いを受けて家康がどのように成長していくのか興味深いですね。