『どうする家康』第3回(三河平定戦)の感想

『どうする家康』の第三回を視聴したので感想を書きます。今回も良かった点、良くなかった点、学びがあった点の3点を書いていきます。

 

まず良かった点は、3つあります。1つ目は戦国時代の生々しさや空気感を感じることができた点です。ハイライトは家康が今川と織田のどちらにつくか決断するシーンだと思います。乱世には権謀術数、裏切りなどは日常茶飯事で、誰を信じればいいのか、何を基準にして決断をすればいいのか、極めて難しい世の中だったのではないでしょうか。今回はそのような葛藤というか、戦国時代の空気感がうまく表現されていましたし、話にぐいぐい引き込まれました。

2つ目は、衝撃的なセリフがいくつかあったことです。特に家康の母、於大の方(おだいのかた)が家康に言い放った「妻や子ごとき平気で打ち捨てなされ!」は、戦国時代の厳しさを象徴していると思いました。於大の方役の松嶋菜々子さんの迫真の演技も素晴らしいものがありました。他にも家康の伯父である水野信元が「人生は博打」的なことを言っていましたが、どの勢力に属するか、誰についていくか、全ては博打と言えばそうかもしれません。このことは混沌とした現代社会にも通ずるところがあると思いました。

3つ目は、ちょいワル親父二人組の登場です。水野信元役の寺島進と久松長家役のリリー・フランキーは、はまり役だと感じました。ああいう男の色気というか、危ない空気感を醸し出す俳優ってなかなかいないと思うんですけど、博打好きという設定も含めて好感が持てました。

 

一方で良くなかった点も2つあります。1つ目は、家康が武将として頼りなく描かれている点です。正直、この人物が本当に江戸幕府を創立した人物なのか、と疑いたくなるレベルです。武将の能力として、統率力、武力、知力、政治力、カリスマ性など、いろいろあると思いますが、家康はどこに秀でているのか、現時点では分かりません。もう少し話の中で武将として成長していく伏線的なエピソードを入れてもよいのではないでしょうか。

2つ目は、戦のシーンが少し迫力不足だと感じました。今回は、今川と織田のどちらにつくか、がメインテーマで戦闘シーンはそこまで力をいれる必要はないのは分かります。が、もう少し丁寧に描いてほしかったです。ちなみに本多忠勝の討ち死にという偽情報が流れるシーンがありましたけど、あれは必要な演出なのでしょうか。意図がよく分かりませんでした。

 

最後に学びがあった点ですが、乱世における権謀術数、裏切りなどは、現代社会にも通ずる部分があると思った点です。人は組織に所属しなければ生きていけません。が、どんな組織に属していても、その組織でどういう派閥に属するか、誰についていくかなど決断を迫られる局面が出てきます。人は、政治的なものから逃れることができない生き物であり、自分がもし決断をするのであれば、出来るだけ後悔をしない選択肢を選びたいと思いました。