『どうする家康』第18話(真・三方ヶ原合戦)の感想

 

『どうする家康』第18回(真・三方ヶ原合戦)を視聴したので、感想を書きたいと思います。今回も良かった点、良くなかった点、学びがあった点について書いていきます。

 

まず良かった点は、2つあります。一つ目は、夏目広次と家康の繋がりを丁寧に描いていた点です。夏目広次は2度も大きな失敗をし、冷飯を食わされてもおかしくない状況でしたが、家康は失敗を不問に付し、要職として取り立て続けました。その結果、夏目広次は家康の取り計らいを粋に感じ、自らの身を呈して主君の危機を救いました。家康が戦国時代を生き残れた理由が何となく分かった気がしましたし、夏目広次の想いは、胸を熱くさせるものがあったと思います。

二つ目は、家康配下の武将による「空城の計」で窮地を凌いだ点です。古参の部下である石川数正酒井忠次がやっと活躍したので少し嬉しくなりました。合戦シーンというと騎馬や歩兵による肉弾戦を思い浮かべますが、こういう知的な戦術を駆使して戦うのも時代劇の醍醐味ではないでしょうか。ただ、惜しむらくは尺が短すぎて、もう少し丁寧に描いても良かったのかなと感じました。

 

良くなかった点ですが、1つあります。合戦シーンの描き方は概ね良かったのですが、特定の人間関係を丹念に掘り下げるやり方はデメリットもあると感じました。特に回想シーンを用いると戦場での臨場感、切迫感が失われるので映像の編集の仕方や演出の仕方に工夫が必要なのではないでしょうか。

 

最後に学びがあった点は、諸葛亮孔明も用いたと言われる「空城の計」を挙げたいと思います。wikipediaによると、「あえて自分の陣地に敵を招き入れることで敵の警戒心を誘う計略のこと。敵方に見破られた場合は全滅の危険性があり、心理戦の一種である。」と紹介されています。家康側としては苦肉の策で放った戦術ですが、時を稼ぐことに成功しましたね。ある意味ギャンブル的な戦術なので乱発はできないと考えますが、古典を学んでおくことで命拾いをした良い例だと感じました。温故知新という言葉もありますし、古典の重要性を再認識した次第です。