『どうする家康』第46話(大阪の陣)の感想

 

 

 

『どうする家康』第46話(大阪の陣)を視聴したので感想を書きたいと思います。今回も良かった点、良くなかった点、学びがあった点について書いていきます。

 

まず良かった点は2つあります。1つ目は最古参の家臣が家康を支えていた点です。具体的には本多正信渡辺守綱が登場していましたけど、年を取りすぎて少し切ないものがありましたね。三河からの家康家臣団は大半が他界しており、最後に残ったのが正信と守綱だと思いますが、それぞれの得意分野を活かして家康を支えている姿に目頭が熱くなるものがありました。

良かった点の2つ目は、大阪の陣に千姫の視点が盛り込まれていたことです。家康の孫でもある千姫が、豊臣と徳川の間で板挟みになり苦悩していました。秀頼との関係性など豊臣内部の微妙な関係性を千姫の視点で見ることができ、物語に説得力が生まれたと思います。そして、決起集会のシーンで、淀殿、秀頼、千姫の微妙な関係性が描かれているのは面白かったですね。淀殿千姫に兵士を鼓舞するよう催促する場面では、秀頼が千姫を気遣っている描写もありましたし、この3人の関係性は少し歪なものがあったのかもしれませんね。

 

一方で良くなかった点は1つあります。それは豊臣側の作戦が不明瞭であった点です。戦が避けられない状況だったのは理解できますが、全国の諸大名を掌握している徳川に対して勝算は極めて薄い状況だったと思います。

そうであれば、初めから引き分け狙いで有利な条件で講話に持ち込むのが作戦の王道であったと考えられますが、物語では作戦面を話し合う描写がなく、無策のような印象を受けました。

 

最後に学びがあった点ですが、淀殿と秀頼の関係性について少し考えてみたいと思います。秀頼の後見人として権力を握っていた淀殿ですが、男性優位の武士の世界で周りがどこまで彼女の指示に従っていたのか、少し疑問に思うところもあります。物語では、秀頼は淀殿に完全服従している様子で、淀殿が徳川との全面戦争を決めたらそれに従う雰囲気でした。

ただ、秀頼が戦いを望まなければ、大阪の陣を止められた気もするのですが、秀頼が淀殿の意向に反するのは難しいことだったのでしょうか。それとも淀殿の意向だけでなく、周りの武将たち、世論の動向など、総合的に勘案して秀頼は徳川との全面戦争を決断したのでしょうか。

この辺りは想像するしかありませんが、物語では秀頼が聡明な人物という描写でしたので、上に立つものとして大阪の陣を止める方法を考えてほしかったですね。