『どうする家康』第42話(天下分け目)の感想

 

 

 

『どうする家康』第42話(天下分け目)を視聴したので感想を書きたいと思います。今回も良かった点、良くなかった点、学びがあった点について書いていきます。

 

まず良かった点は2つあります。1つ目は鳥居元忠とその妻・千代の壮絶な最後が描かれていた点です。伏見城での戦いのシーンは緊迫感がありましたし、これまでの『どうする家康』の中でも見応えのある戦いだったと思いました。史実ではどうなのか分かりませんが、妻の千代も一緒に討ち死にする脚本は切ないものがありました。が、これが戦乱の世ということなのでしょうか。

良かった点の2つ目は真田昌幸役の佐藤浩市さんの演技です。出番はそれほど多くはありませんが、老獪でずる賢い、それでいて大局的に物事を俯瞰できる優れた武将を好演していると思いました。存在感が際立っているのは、セリフの少なさにあるのかもしれません。多くを語らずとも雰囲気で場を支配している感じがしましたし、年齢を重ねた俳優の凄みのようなものがあったと思います。

 

一方で良くなかった点は、今回はありません。関ケ原の戦いの前日譚として、家康側、三成側、真田昌幸などの第三者的な武将の思惑を描いた面白い脚本だったと思います。

 

最後に学びがあった点ですが、関ケ原の戦いに向かう前の準備段階について少し考えてみたいと思います。上杉討伐に向かう最中に開催された軍議、小山評定(おやまひょうじょう)が物語で描かれていましたが、ここでも調略が重要な役割を担っていましたね。

上杉討伐に集まっている武将は、豊臣家譜代の武将で関西に妻子を残している状況でした。家康が上杉討伐から三成討伐に切り替えるに当たり、武将たちの心をどのように掴むのか。本多正信が事前に福島正則を調略し、軍議において家康側につくように仕向けていたのが印象的でした。

そして、家康も三成も決戦前に出来るだけ味方を増やすため、各地の武将に書状を送り、決戦の準備を進めていました。一方で小早川秀秋真田昌幸などの武将は、どちらが勝っても生き残れるように策を巡らすなど、武力というより知恵比べの側面が特に面白く感じました。

関ケ原の戦いは東軍と西軍がぶつかる単純な戦という認識でしたけど、そこに至るまでの複雑なドラマは細かく見ていくと非常に面白いですし、歴史というものは深く学べば学ぶほど面白いですね。関ケ原の戦いに限らず、何事も事前の準備や段取りが重要ということでしょうか。