『どうする家康』第35話(欲望の怪物)の感想

 

『どうする家康』第35話(欲望の怪物)を視聴したので感想を書きたいと思います。今回も良かった点、良くなかった点、学びがあった点について書いていきます。余談ですが、日曜劇場『VIVANT』が面白いですね。テレビドラマの枠を超えた壮大なスケールの物語で、テンポもよいですし、謎解きの要素も加わって毎週楽しく見ていました。NHK大河ドラマが面白くないとは言いませんけど、もう少し工夫の余地がある気がします。1年間という長い期間だと緊張感がなくなるので、3部構成にするとか、視聴者が退屈したり緩まない仕掛けが必要な気がします。

 

さて、気を取り直して感想ですが良かった点は1つあります。それは秀吉役のムロツヨシさんの怪演です。今回はタイトルのとおり、秀吉がどんな人物なのか改めてあぶり出す回だったと思うのですが、人心掌握に長けたどこか得たいの知れない人物を好演していたと思います。

佐藤隆太さん演じる秀長が、秀吉の弟なわけですが真っ当な人間として描かれているので、それとの対比で余計に秀吉の人格や性格が変人っぽくなっていると思います。コメディータッチで緩い雰囲気を出しつつ、朝鮮出兵の前フリ、戦なき世の中を作るつもりがないことをチラつかせていましたね。

 

一方で良くなかった点も1つあります。放送が一週間空いて改めて思ったのですが、家康に貫禄がありすぎる点です。余裕、貫禄、自信、謙虚さ、知性など君主として備えるべきものを全て備えている感じを受けます。もはや「どうする家康」ではないでしょう。50話まで続くとして35話でここまで成長してしまうとタイトルを変更した方がよいのではないでしょうか。

 

最後に学びがあった点ですが、秀吉の人物像について少し考えてみたいと思います。信長とは違い朝廷を重視し、豊臣という姓を天皇からもらったり、関白という公家の役職に就いたり、天下を統一するために知恵を絞っている印象を受けます。これが秀吉本人の発想なのか、秀吉家臣団、例えば切れ者石田三成などの知恵なのかは分かりません。が、ドラマ本編で秀吉家臣団についてもう少し描写が欲しかったですね。優秀なブレインがいないと天下統一まではいけないと思いますし、加藤清正福島正則などの豊臣配下の武将もこれから描かれることを期待します。