『どうする家康』第6回(続・瀬名奪還作戦)の感想

『どうする家康』第6回(続・瀬名奪還作戦)を視聴したので感想を書きたいと思います。今回も良かった点、良くなかった点、学びがあった点の3つについて書いていきます。

 

良かった点は2つあります。1つ目は、物語の盛り上げ方も含めて脚本が面白いと感じたことです。ザ・エンタメという感じでしょうか。前回の第5回からの前振りも含めて最後までどうなるか分からない緊迫感がありました。今回の瀬名奪還というテーマのように、2話程度を消費してじっくり物語を展開する方が見ている側も没入感が高まりますし、満足度が高い気がします。

2つ目は、続・瀬名奪還作戦のハイライトである今川氏真と関口家とのやり取りの場面です。今川氏真は、家康との交渉を拒否し関口家を死刑にしようとします。しかし、関口家の当主である関口氏純とその妻の進言により氏真は考えを改め、人質交換に応じる場面は見応えがありました。娘婿である家康の裏切りにより関口家の立場が危うくなったのですが、それについては恨みごと一つ言わず、瀬名の幸せを望む実直な想いに心を打たれました。

 

良くなかった点も2つあります。1つ目は、明らかに合成と分かるシーンがあったことです。今回の合戦シーンは今までと比べると満足のいくものでしたが、CGの使い方が上手くない場面がいくつかありました。特に鵜殿氏の二人の息子を忍者が捕まえるシーンは、CGの合成に違和感がありました。これは技術が足りないのか、予算が足りないのか、それとも両方なのか。もう少し何とかならないものでしょうか。

2つ目は、今川氏真の描き方です。短気で子供っぽく、常に裏切りに怯えているダメな君主として描かれています。しかし、家康の今川家に対する裏切りも相当酷い行為であり、今川氏真が怒るのも無理はない気がします。にも関わらず、家康が正義、氏真が悪のような視点で描かれているのには違和感を感じます。ただ、今川氏真役の溝端淳平さんの演技力はすごいですね。このような陰鬱としたキャラクターも演じられるとは思いませんでした。

 

最後に学びがあった点ですが、城攻めの合戦シーンを挙げたいと思います。今から約400年前の出来事とは俄かには信じられません。自分がもし戦国時代に生まれていたら、どういう人生を歩んでいたのか。もちろん現代でも戦争は無くなっていませんが、少なくとも日本は平和です。戦国時代の価値観は、強さこそが全て。武士として立身出世を目指すのが第一義で、自分もそういう価値観に染まって戦う道を選んでいたのでしょうか。うーん、こればっかりはその時代に生まれてみないと分かりませんね。