『どうする家康』第24話(築山へ集え!)の感想

 

 

『どうする家康』第24話(築山へ集え!)を視聴したので感想を書きたいと思います。今回も良かった点、良くなかった点、学びがあった点について書いていきます。

 

まず良かった点は2つあります。1つ目は瀬名の壮大な構想についてです。争いのない世の中をつくりたいという志はよいとして、どのように実現するのか。瀬名の答えは、徳川と武田が手を結び、今川、北条も含めて大きな経済圏をつくるという構想でした。共通貨幣を導入し、商売をやりやすくし、経済圏を活性化させる案もあり、少し驚きました。織田信長が手を出せないように力をつける時間をかせぎ、ゆくゆくは信長が経済圏に入れてくれと頭を下げる未来も描いていましたね。どこまでがフィクションでどこまでが史実か理解していないのですが、物語の通りの内容ならば、この物語の前半の主役は瀬名だと感じました。その瀬名の想いをついで家康は、天下を統一し、争いのない世の中をつくるということでしょうか。

2つ目は伏線の回収の仕方です。イントロ部分で瀬名の生涯を振り返り、影響を受けた出来事を振り返っていましたね。これは説得力がありました。戦国時代に女性が政治に参加するということはタブーだったと思われますが、その既成概念を打ち破って自らの構想を家康に話す場面は見応えがありました。ただ、本当に瀬名の案を家康が丸呑みしたのか、そこは気になります。信長を裏切ることは、これまで築いてきた信頼関係を破壊するリスクもありますし、いかに瀬名の案が素晴らしくても躊躇したはずです。

 

良くなかった点は、1つあります。忍びの大鼠が忍術を使うシーンです。築山で諜報活動をしている最中に見つかり、刀を突き立てられた瞬間にけむり玉を使って脱出するシーンですが、まるでB級映画のような演出で見ていられませんでした。あのクオリティのシーンなら映像に入れ込む必要はなかったでしょう。

 

最後に学びがあった点ですが、瀬名の壮大な構想を挙げたいと思います。戦国時代は男尊女卑の世の中だったと思いますが、既成概念にとらわれず自分の考えを提案した瀬名は、勇気のある女性だったと思います。加えて、提案した内容も良く練られた素晴らしい内容だったのではないでしょうか。全てが上手くいけば世の中の流れが変わったかもしれませんが、残念ながら今回は失敗しました。ただ、信念に基づいた行動は次世代に繋がります。今回の場合で言えば家康が瀬名の志を継いで争いのない世の中をつくっていく、という流れですね。