『どうする家康』第8回(三河一揆でどうする!)の感想

『どうする家康』第8回を視聴したので感想を書きたいと思います。今回も良かった点、良くなかった点、学びがあった点の3つについて書いていきます。

 

まず良かった点は、2つあります。1つ目は今川義元との対話の場面です。やはり今川家での人質時代が長かったこともあり、今川義元は家康が一番影響を受けた人物と言っても過言ではないでしょう。物語の冒頭、家康が論語を読む場面から始まります。食料、兵隊、信頼の3つについて、政治にとって最も大事なのものはどれか。何を捨てて何を優先すべきかと言う話です。結論として組織や社会が成り立つためには、信頼が最も大事ということなのですが、第8回を通して家康がそれに気づいていく話になっています。待ちに待った家康が成長していくシーンなので少し感慨深いものがありました。しかし、ヘタレな殿様ぶりは相変わらずで、この調子で本当に天下統一までいけるのか不安になってしまいます。

2つ目は、渡辺半蔵守綱役の木村昴さんの存在感です。木村昴さんのことは、ジャイアン役の声優さんということくらいしか知らなかったのですが、俳優としても光るものがありますね。キャラが立っていますし、何より声がいい。俳優は、声と動きで作品を表現していく必要がありますから声がいいというのはアドバンテージになりますよね。渡辺守綱は槍の名手ということで、この先の活躍が楽しみです。

 

一方で良くなかった点は、1つあります。それは榊原小平太(後の康政)の描き方です。徳川四天王や徳川三傑にも数えられる武将なのですが、扱いが酷くはないでしょうか。今のところ、ただのポンコツにしか見えません。活躍するのはもう少し先だとしても、せめて能力の片鱗くらいは伏線として物語に組み込んで欲しいです。

 

最後に学びがあった点ですが、今回は論語の「食、兵、信」を挙げたいと思います。少し補足をすると、政治の要諦は、食を豊にし、兵を充実させ、民に信を持たせることである、という話です。そして、食、兵、信の優先順位ですが、3つの中で最初に諦めるものは兵であり、その次に食を諦め、最後が信という、現代の私達にとっても示唆に富んだ内容になっています。政治という漠然とした概念ではなく、私達が日頃から所属している組織についても当てはめることが出来るのではないでしょうか。