『光る君へ』第五話(告白)の感想

 

 

 

『光る君へ』第五話(告白)を視聴したので感想を書きたいと思います。今回も良かった点、良くなかった点、学びがあった点について書いていきます。

 

まず良かった点は2つあります。1つ目は、第一話からずっと引っ張ってきた道長(三郎)とまひろの対面シーンです。今回の物語のハイライトだと思うのですが、『進撃の巨人』のエレンとライナーがマーレで再会するシーンを思い出してしまいました。

道長がライナーで、まひろがエレン。道長(ライナー)が謝り倒すシーンは非常に切ないものがありましたし、まひろ(エレン)が母親が死んだのは自分のせいであると自覚している点も何ともやり切れないものがありました。まひろが道兼に復讐するストーリーを想像していたのですが、とりあえずその線はなさそうなので少し安心しました。

良かった点の2つ目は、第五話の中に物語としての緩急があった点です。毎回感心するのですが、イントロ部分で侍従宰相役・サブングル加藤さんを出演させて笑いを取りに行ったり、後半の道長とまひろの対面シーンでは、緊迫感とシリアスさを一気に盛り上げたり、緩急の使い方が上手く視聴者を飽きさせないと思いました。

 

一方で良くなかった点は1つあります。それは、謎の男・直秀が夜中にまひろを呼び出すシーンです。いくら平安時代とはいえ、フクロウの鳴き真似で人を呼び出すのは少しやり過ぎに感じました。まひろもフクロウの鳴き声にすぐに反応して直秀に会いに行き、屋根の上の直秀と廊下にいるまひろが会話するのですが、この構図は少し滑稽に感じました。もう少し自然な演出でも良かったと思うのですが。

それにしても謎の男・直秀は物語に丁寧に組み込まれていますし、今回も道長とまひろが会うのに重要な役割を果たしていることから、今後も物語の重要な展開に絡んできそうな雰囲気ですね。

 

最後に学びがあった点ですが、権力の頂点に上り詰めようとしている藤原兼家について少し考えてみたいと思います。段田安則さんが演じていますけど、存在感があってハマり役ですよね。人を道具として見ており、目的を達成するためにはどんな手段も厭わない。内に秘めた狂気というか、常識人と思わせておいて、危険な人格の部分がセリフの端々から感じられることが多いと思います。加えて、自分の考えや行動に寸分の違和感も感じていない点が恐ろしいですね。100%自分が正しいと思って行動している人間の恐ろしさというか、まあ、だから戦争がこの世から無くならないのでしょうか。