『どうする家康』第1回の感想

普段ほとんどドラマを見ない人間が2023年から物語を少し楽しんでみようと思いました。なぜ『どうする家康』を視聴しようと思ったのか。それは、主演の松本潤さんのインタビューをたまたま見る機会があり、興味をもったことがきっかけです。「今回の大河ドラマは家康の新たなリーダー像を提示できる物語です。」という主旨の発言をしていました。

 

早速、第1回を視聴したので感想を書きます。良いと思った点は、3つあります。1つ目が展開の早さです。家康の青年期から物語が始まり、瀬名との結婚、桶狭間の戦いでの今川義元の死まで、一気に進むとは予想していませんでした。間延びすることなく、惹きつけられたと思います。今時のドラマの傾向なのでしょうか。

2つ目は、新しい家康像の提示です。戦国時代にもかかわらず、弱々しく、武力、知力ともに少し劣っている人間として描かれています。そのような人間がどうやって江戸幕府を創立する地点までたどり着くのか。興味をそそられます。

3つ目は、個人的なことになりますが、好きな俳優が多く出演しているという点です。松本潤岡田准一有村架純、大森南明、松重豊などなど。これからも豪華な俳優陣が登場するみたいなので楽しみです。松重豊さんは『孤独のグルメ井之頭五郎の印象が強すぎて、古参の家臣・石川数正として見るのに少し時間がかかりましたが。。

 

その一方で良くないと思った点が2つあります。1つ目は良さと表裏一体なのですが、展開の早さです。青年期から始まるのは良いとして、結婚は多くの人にとって人生の一大イベントなので、もう少し丁寧に描いても良かったのではないかと思いました。感情移入ができないシーンがいくつかあったので、展開の早さはデメリットにも繋がるということでしょうか。

2つ目は、合戦シーンでのCGです。時代劇のハイライトと言えば、戦いや合戦のシーンだと思うのですが、CGを多用しないで必要最小限に留めてほしかったです。ひと目で合成と分かる絵を見せられると冷めてしまう自分がいました。コロナ禍ということで大規模なエキストラを用いたシーンの撮影が難しかったのかもしれませんが、少し残念でした。

 

今回の学びとしては、物語の展開の早さはタイパやコスパを重視する昨今の時代背景を象徴しており、そこにはメリットとデメリットが存在するので、脚本家の力量が試されるということだと思いました。まだ第1回なので何とも言えないのですが、編集で大森南明演じる酒井忠次の「えびすくい」3連発を強調したようにコメディータッチを残しつつ、困難な状況に陥っていく家康のリーダー論を描いていく、という展開になるのでしょうか。