『どうする家康』第28話(本能寺の変)の感想

 

 

『どうする家康』第28話(本能寺の変)を視聴したので感想を書きたいと思います。今回も良かった点、良くなかった点、学びがあった点について書いていきます。

 

まず良かった点は1つあります。今回のハイライトは、間違いなく信長役の岡田准一さんの演技でしょう。アクションは凄まじい迫力がありましたね。ジャニーズ所属の元アイドルとは思えません。格闘技オタクらしいですけど、その知識や身体の使い方が時代劇の殺陣にも存分に活かされていると思いました。

ただ、岡田准一さんの演技は素晴らしいのに演出がいまいちに感じる部分がありました。信長の弱さの源泉については第27話で吐露しているので、父親との回想シーンで詳しく説明する必要はないと感じました。父親からの助言が「己しか信じるな。」、「信じるとすれば一人だけにしろ。殺されてもいいと思う者を選べ。」など、説明しすぎで情緒がない演出でしたね。

 

良くなかった点も1つあります。通説とは違う明智光秀の単独犯とするなら、物語の最初に「事実に基づいたフィクションです」とか「解釈については複数の説があります」など、配慮が必要ではないかと思いました。この辺りは難しい話になるのかもしれませんが、誰もが知っている徳川家康を描くということで、史実をベースとしてどこまでを脚色するのか、慎重になった方がよいのではないでしょうか。

 

最後に学びがあった点ですが、今回も信長と家康の関係性について考えたいと思います。徳川家康の物語なので、家康の視点から見た信長が描かれている訳ですが、上司と部下という関係よりも兄弟に近い関係だと感じました。そして、物語の終盤にはお互いの名前を呼び合うシーンがあり、そこでは兄弟よりもさらに踏み込んだ恋愛関係に近い、そういう雰囲気もあった気がしました。

信長は、超えるべき壁として常に家康の前に立ちはだかり、幼少期から家康に影響を与え続けました。本当に信長が家康のことをそこまで想っていたのか、そこは誰にも分かりませんが、少なくとも今回の物語では、幼少期から家康と信長の接点を多く作り、本能寺の変を信長から家康への継承の儀として捉えた構成にしたのでしょう。斬新な解釈だと思いました。