『光る君へ』第四十一話(揺らぎ)の感想

 

 

 

『光る君へ』第四十一話(揺らぎ)を視聴したので感想を書きたいと思います。今回も良かった点、良くなかった点、学びがあった点について書いていきます。

 

まず良かった点は、一条天皇崩御後の顛末を興味深く描いていたことでしょうか。大河ドラマも終盤に差し掛かり、季節で言うと秋や冬に向かっています。個人的には道長三条天皇のやり取りが面白かったです。

トップが変われば下の者が右往左往するのは平安時代も現代も同じなんですね。組織あるあるというか、一癖も二癖もある三条天皇道長と他の公卿たちが振り回されていましたが、お互いが主導権を取ろうと探り合っている様子は滑稽に感じました。1000年前も現代も人間のやっていることは大して変わらないのだと思ってしまいました。

 

一方で良くなかった点は、今回はなし、としたいと思います。イントロの賢子と市井の若者との交流からトップが交代したことによる内裏でのゴタゴタなど、人間の機微が丁寧に描かれていてエンタメとして面白かったです。道長は色々な方面で行き詰まっている印象ですね。

 

最後に学びがあった点ですが、改めて天皇と貴族の関係について少し考えてみたいと思います。道長の時代は摂関政治が全盛の時代と言われています。藤原氏は、天皇が幼少の頃は摂政として、成長してからは関白として政治の実権を握り、世の中を動かしていたようです。

ただ、今回の大河ドラマを見ている限り、藤原氏が一方的に権力を持っているというより、天皇にも配慮しながら駆け引きをしている印象です。名目上は日本国の統治権を持っているのは天皇なので、その気になれば自分の思い通りに事を運べそうですが、貴族の力が大きくなってきたので、彼らに配慮して政治を任せているという構図なのでしょう。

道長も権力を盤石にしたいなら、三条天皇東宮の頃から関係を円滑にしておくとか、色々と打つ手はあったと思うのですが、その辺りは抜けている部分があるということでしょうか。