『光る君へ』第四十五話(はばたき)の感想

 

 

『光る君へ』第四十五話(はばたき)を視聴したので感想を書きたいと思います。今回も良かった点、良くなかった点、学びがあった点について書いていきたいと思います。

 

 

まず良かった点は、サプライズがあったことでしょうか。1つ目のサプライズは、物語の中盤で、賢子は道長の娘であると藤式部(まひろ)が告白した場面です。道長は少し驚いた表情をしていましたけど、薄々気づいていたのか、そこまで驚いていない印象でした。藤式部(まひろ)も自分が宮中からいなくなるタイミングで告白することで、道長に目をかけてもらいたかったのでしょう。ただ、藤式部(まひろ)の娘というだけで相当優遇されるでしょうし、わざわざ道長に真実を告白することもなかったような気もします。保険をかけたということでしょうか。

そして2つ目のサプライズは、藤式部(まひろ)の旅立ちと太宰府での再開です。まさかここで周明(ヂョウミン)が出てくるとは思いませんでした。大河ドラマは全48回なので、残り3回という段階でサプライズをぶっこんできて、きちんと消化できるのでしょうか。少し心配です。太宰府というキーワードから、賢子の恋人だった武者・双寿丸、太宰府に派遣された上級貴族・隆家も出てくるようなので楽しみですね。

 

 

一方で良くなかった点は、良かった点と表裏一体になりますけど、サプライズを挙げたいと思います。題名の「はばたき」が示すように藤式部(まひろ)が宮中での女御の職を辞して旅に出るという回でした。終幕に向かっているので、今から大きく物語を動かさなくても良い気がしましたし、大きく動かすならもっと前の段階で動かして欲しかったですね。

まあ、紫式部の人生自体がそこまで起伏のある人生ではなかったですし、晩年は何をやっていたか記録が残っていないので何をやっても自由なのですが。

 

 

最後に学びがあった点ですが、物語中盤での道長と藤式部(まひろ)との対話について少し考えてみたいと思います。

女御の職を辞して旅に出ようとする藤式部(まひろ)に、道長が「もう会えぬのか」と話しかけていましたけど、その女々しいセリフが印象的でした。既にお互いがおっさんとおばさんなのに、10代の恋愛のようなノリで少し引いてしまいました。

藤式部(まひろ)が「会えたとしても、これで最後でございます」と道長を突き放していましたが、この言葉の意味が少し分かり難かったです。

その後の「別の人生を生きたい」というセリフを考慮すると、藤式部(まひろ)としては、恋人関係を終わりにするだけではなく、友人関係も終わりにして、他人として再出発したいという意味に受け取れます。

道長は困惑していましたが、藤式部(まひろ)としては様々な支援を受けた恩も感じつつ、不倫関係のため道長の正妻にもなれませんし、内裏での争いを通じて道長の嫌な部分も知ってしまい、これ以上一緒にいるのが苦痛になったのかもしれませんね。